藤原岳 Mt. Fujiwaradake
概要
藤原岳は、鈴鹿山脈が最も大きく隆起する御池岳のすぐ南東に位置し、伊勢平野から峻立する姿で親しまれています。
御池岳と同様に主に石灰石からできているので、山頂部にやはりカルスト台地をもっています。下の地図上で薄いピンク色を付けた部分が山頂部にあるカルスト台地(山上台地)です。しかし、伊吹山と同じように石灰石が仇となり、その南東面はセメント鉱山(藤原鉱山)として無残にも切り裂かれ、哀れな姿をさらしています。主要登山道から登る際には、この部分はほとんど見えないことがせめてもの救いです。
通常、藤原展望丘と呼ばれる最南端のピークが山頂といわれますが、ここの標高は1140mで、最高峰は北西にある天狗岩の1171mです。さらにその北西には冷川谷の頭、あるいは頭蛇ヶ平とも呼ばれる1143mのピークがあり、その北西は白船峠(白瀬峠とも)に下っていきます。本HPでは、ここまでを藤原岳とみなしています。山上には台地が広がり、そこの植生はほぼ草原が多いので、眺望は素晴らしいものがあります。展望丘は言うまでもなく、遠くは白山、御嶽山、木曽駒、名古屋をはじめ伊勢湾周辺の平野、伊吹山、霊仙山、御池岳、銚子岳、静ヶ岳、天狗堂などが見渡せます。天狗岩からは茶屋川の谷へ落ち込む急崖の迫力が素晴らしいです。冷川谷の頭には中部電力伊勢幹線の二本の高圧電線が通っており、その足もとからはこれまたみごとな眺望が得られます。特にここから見た御池岳のテーブルランドの迫力はぜひ一見の価値があります。
しかしなんといっても藤原岳の一番の魅力は、咲き乱れる花の素晴らしさでしょう。春のフクジュソウ、カタクリ、イチリンソウ、ニリンソウ、秋のトリカブトなど、種類も数も豊富です。石灰質の土壌と、日本海側と太平洋側植生の両方が入り混じることが、花の豊富さに寄与しているそうです。すぐ隣の御池岳と比べても、やはり格段に花が多いのが不思議です。
ルートについて
藤原岳への登山道は、三重県のいなべ市藤原側の大貝戸から登る大貝戸道とすぐ北の聖宝寺からの聖宝寺道が代表的です。これらの道は、8合目で合流して、藤原山荘に上がります。さらには、滋賀県と三重県の県境稜線を御池岳側から辿るルート、治田峠側から辿るルートがあります。さらにサブルートとして、聖宝寺の北側の坂本のさらに少し北から鉄塔の巡視路を辿る木和田尾道があります。かつては、坂本谷に白瀬(白船)峠へと向かう登山道があったのですが、土石流のために立ち入り禁止となっています。木和田尾道は、坂本谷の代替ルートとしてよく利用されています。また、滋賀県側の茨川から茶屋川を遡り、展望丘の西尾根を辿るコースは、展望丘に直登することもできます。
なお、孫太尾根から登るルートは、以前は下のレポ(2019.3.13)でも使っているように、藤原岳登山ルートとして使えたのですが、2024.6.1より、石灰石の採掘工事のため一部で通行止めとなってしまいました。花の素晴らしい孫太尾根は、登りでは丸山までしか登れません。悲しいことです。
山行写真記
聖宝寺道を登って大貝戸道を下るルート、2002.4.13へ[春]
鞍掛峠から藤原岳・天狗岩、2005.8.28へ[晩夏](YAMAP)
大貝戸道を登って聖宝寺道を下るルート、2009.5.5へ[春]
大貝戸道往復で、早春のフクジュソウ、2018.3.25へ[早春](YAMAP)
花の孫太尾根から藤原岳へ、2019.3.13へ[早春](YAMAP)
花の藤原岳↗木和田尾、↘聖宝寺道、2022.4.23へ[春](YAMAP)
花を探して孫太尾根、丸山、2026.3.22へ[春](YAMAP)
藤原岳の山姿
周囲からの藤原岳へ
藤原岳の花
藤原岳の春の花へ
藤原岳の晩夏の花へ
藤原岳MAP

この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(篠立、竜ヶ岳)をベースに作成いたしました。
周囲からの藤原岳(滋賀の山・山姿写真集より:詳細はこちらをご覧ください。)
霊仙山・西南稜から
西南稜の近江展望付近より。鉄塔の立つのが頭蛇ヶ平。その左が天狗岩。手前には焼尾山、三国岳、ダイラの頭。2005年4月9日。
夕暮れの藤原岳
三重県いなべ市の員弁川堤防より。東側からのシルエットの藤原岳です。1999年10月9日。
竜ヶ岳からの藤原岳
竜ヶ岳の遠足尾根・上部より。ほぼ南からの山姿です。左端に鉄塔の立つ頭蛇ヶ平、その右に最高峰の天狗岩、写真ほぼ中央に展望丘です。一つ手前が孫太尾根。2016年11月5日。
銚子岳山頂からの藤原岳
銚子岳山頂の北側から。南南西からの藤原岳です。左の鉄塔があるのが頭蛇ヶ平1143m、中央が天狗岩1171m、右端に、藤原展望丘1140mです。2006年11月18日。
草津からの藤原岳
草津駅付近より。滋賀県側でも、草津まで離れると、全容が見えてきます。左端は御池岳・奥の平の一角ですが、その右に頭蛇ヶ平、
ほぼ中央に天狗岩、一つおいて右寄りに展望丘が雪化粧で見えています。真ん中手前は三上山近くの天山です。2016年1月24日。
藤原岳の春の花
2002.4.13
カタクリ
6合目あたりから植林は途絶え、お花畑が広がってきます。いきなりカタクリが出迎えてくれました。
タチツボスミレ
次々と花が現れます。
ヤマエンゴサク
小さいけどユニークな形の花です。
ミヤマカタバミ(上)とヒロハノアマナ
7合目あたりはこの二種類の花盛りでした。
フクジュソウ
藤原のシンボルのフクジュソウです。8合目を過ぎるとまさに大群生が現れます。
ミノコバイモ
8~9合目に咲いていた特徴的な花。美濃の国周辺に分布するのでこの名があるそうです。
エンレイソウ
三枚の葉の中心で紫の花が咲きます。夏に丸い実がなります。
キクザキイチゲ
山頂付近で咲いていました。白花(上)と、薄紫の花があります。
ショウジョウバカマ
展望丘への登り道で咲いていました。
晩夏の花
2005.8.28
カワチブシ
御池岳、藤原岳でよく見られるトリカブトです。
タチフウロ
ゴマナ
